やる気の科学 実戦編

理屈はもうエエ!😠

やる気の科学実戦編

【赤間塾の塾長のひとりごと】 

やる気の科学1巻~5巻をお読みいただき、たいへんありがとうございました。 


ここからは赤間塾のヤナギの意見だけを書き並べます。
参考文献は一切ありません。
どこにもそんたくしません。
もちろん慶応大学の鹿毛雅治教授とはなんの関係ありません。
教授には、ご迷惑が掛かってはいけませんので、最初に申し上げておきます。 

なんだそれなら、赤間塾のおっさんのヤナギのひとり言か・・・とお思いになるのはごもっともです。
全くその通りです。
ですが、よろしければ少々赤間塾のオッサンの”グチ”じゃなかった、”ひとり言”にお付き合いください。 


【やる気のない子供たち😩】

やる気の科学1巻から5巻までお付き合いいただいた方にはある種の疑問をお持ちのことと思います。 

「理屈はいいわよ理屈は!わかったわよ!」
「それじゃ、うちのやる気のない子供にどうしたらいいっていうのよ!」
「あんな理屈、何の役にも立たないわ・・・!」
おっしゃること。ごもっともです。 

ここからは、やる気のないお子さんに的を絞ってピンポイントでお話しいたします。
ただ少々お母さんお父さんにも、お耳に痛いお話もあります。
そのへんはどうか、ごかんべんください。 


まず最初に一言、ここでは「モチベーション」をわかりやすい「やる気」に統一します。勉強はやはり「やる気」がふさわしいと思いませんか? 


早速、本題に・・・まずは舞台設定です。 

「オッ見れば、うちの子がいる。」
「ア~ア、ねそべって、いつまでたっても、あきずにスマホをいじっている。」 

これが現在のお子さんの姿です。
「はぁ?・・・うちの子はそんな子じゃないわよ!」 

おめでとうございます!
そうおっっしゃる方には、この「やる気の科学  実戦編」は必要ありません。
読み飛ばしてください。
しかし、もしも、「そんな感じだよ、うちの子は・・・」
・・・と少しでも感じた方は読み進んでくださいね。 


【スマホは楽しい😍】

ところで、スマホって楽しいんですよね。楽しいようにできています。
特にゲームは”依存症”になるくらいによくできてます。 

プレ―は適当に難しく、さりとて、ちゃんと最後には「できる」ようになってます。
あきさせません。まさに「達成体験」です。
慶応大学の鹿毛雅治教授のおっしゃる「自己効力(できるという自信を持つことです)の「超大盛つゆだく」です。 


頼りになる師匠(マスター)やクールなキャラが出てきて、やる気が出ます。
「代理体験(他者の成功体験を観察すること)」です。 


そして適当に仲間のキャラがでてきて、いい時に、いい感じではげましてくれます。
「言語的説得(他者が与えるはげまし)」です。 


時々ドラゴンや化け物が出てきてドキドキさせます。
「生理的喚起(心身があたえる影響)」です。 


ご覧ください。「達成体験」、「代理体験」、「言語的説得」、「生理的喚起」全部そろい踏みです。
「自己効力」(できるという自信を持つこと)をお子さんの脳みそにガンガンぶち込んできます。「自己効力」の大盤振る舞いです。

【ゲーム依存症は精神病😨】

「いやぁ、参った!参った!降参です!白旗です!勝てません!スマホゲームには・・・!」そりゃ、ゲーム依存症になりますよ。
ならない方がどうかしてます。 

無理もありません。
そりゃそうです。ゲームというものは心理学を研究した「モチベーション」を知り尽くしたエキスパートがよってたかって作っています。
子供たちどころか、いい大人まで夢中になるはずです。
朝夕の混んだ列車のサラリーマンも 必死にスマホの画面をさすってます。


ぜひご存知いただきたいことがあります。「ゲーム依存症」、「スマホ依存症」などの言葉は単なるバズワードでもマスコミ用語でもありません。
まっとうな「病名」です。「精神病」です。
お医者さんに行って、この「ゲーム依存症」、「スマホ依存症」の診断がつけば、ちゃんと治療を受けられます。
しっかり公的保険適用です。お子さんもお母さんかお父さんご加入の保険証で3割負担です。 

どうです、恐ろしいでしょう。 


【IT世界の現実😰】

ゲームやネット関係の人は願います。
「地球上の人類が全員、依存症になってしまえ!」
スマホやゲームで大金を稼ぐ方々にとって望ましい皆さんは以下のような方です。
「わざわざ高価なスマホを身銭を切って買って、その上高い通信費を何ギガも使って、とにかく四六時中いじくりまわす人」
ついでに言えばスマホとは「ネット関係者に金を貢いでもらうため」の小さな携帯型コンピューター端末です。 

そんな代物を日本という国はやれ〖IT〗、やれ〖DX〗などと小学校の授業に取り入れているのですから・・・馬鹿に付ける薬はないというか・・・度し難いとはこのことです。 

だから、私たちは「使われて」はダメなんです。「使わない」といけません。 

【ITに勝つ‼😐】

さあさあ、とにかく、これで敵は強敵とわかりました。
それでは、どうしたら勉強の「やる気」を作れるでしょうか。 

「やる気」の原料は「内発的動機づけ(ある行為が楽しい面白いという動機で自発的に取り組むことです)」と「外発的動機づけ(なんらかの報酬(アメ)または罰(ムチ)によってある行動を起こすこと)」です。 


ところで勉強にいきなり「内発的動機づけ」をもたせるのは無理です。
断言します「無理です!!!」 

赤間塾のヤナギはクソ重いリュックを背負って、辛い寒い冬山の岸壁にへばりついていました。
この辺まではなんとか「内発的動機づけ」が通用します。
しかし、退屈極まりない現在の学校のカリキュラムに対しては無理です!!!
「重い、辛い、寒い」より「退屈」の方が難敵です。
脳みそにとって「辛い」より「退屈」が耐えられないのです。
ほら、カップラーメンの出来上がる3分って、やたら長く感じませんか?
学校の授業が退屈なのは決して学校の教師のせいではありません。
教師の方々は一部の方を除いて本当によくやっていらっしゃいます。頭が下がります。

しかし、システムとして無理なのですよ。すぐに日本では個人の頑張りとシステムを混同してしまいます。個人のことは簡単です。わかりやすい。
目の前にいますから。
しかし、システムを知るのは難しい。目の前に立ってません。
システムなんてものはつかめもしなけりゃ臭いもしません。
つまり理解が難しんです。難しいことを見るのは嫌なものです。
これは難解な勉強です。大人も実は勉強が大嫌いなんです。
人というものはそういうものです。特に赤間塾のヤナギはそうです。
古代ローマの英雄シーザー(カエサル)はおっしゃいます「人は見たいものしか見ない・・・」そのとおりですね。名言です。 


【ムチの効果😶‍🌫️】

ということで、「内発的動機づけ」はいったんあきらめて、「外発的動機づけ」で行きましょう。簡単に言うと報酬(アメ)と罰(ムチ)です。 


まずは罰(ムチ)から考えましょう。 

軽い方から・・・注意する⇒しかる⇒怒鳴る⇒たたく⇒ける⇒食事を抜く⇒外に放り出す⇒逆に監禁する・・・などがあります。
最近の事件では「真冬に水をぶっかける」「タバコの火を押し付ける」なんてものもありました。
「やる気の科学」をお読みになった方にはもう改めて言うまでもありませんが、全部効果はありません。
「やる気の科学第一巻」の「小学生の算数の試験」で御説明した通りムダです。
もしも、「たたく⇒ける⇒食事を抜く⇒外に放り出す⇒逆に監禁する」をやってる親がいたら、しつけでも何でもありません。
ただの虐待です。
もっと、はっきり申し上げると親のレクリエーションです。
もちろん、これをお読みの方にそんな方は一人もいらっしゃらないことは赤間塾のヤナギはよく承知しております。

【アメをやるしかないか…😒】 

そこで報酬(アメ)を考えましょう。 

それでは「ほめましょう!」・・・とはいっても、最初の舞台設定を思い出してください。
今のところ子供さんは寝っ転がってスマホをいじってるだけでした。
どこをどうほめればいいんでしょうか?
やってもいないことをほめろって!?
「もう三時間も寝っ転がってスマホをいじってるなぁ・・・素晴らしい!」なんて言えるはずもありません。
やはり「くそったれ!馬鹿野郎!」です。
わかります、わかります、その気持ち。
しかし、これでは「外発的動機づけ」の罰(ムチ)です。ダメです。
うーん親というものは我慢がいるものです。辛いものです。
親の心子知らずです。 


【科学館のすすめ🔭】

ところで、話は変わりますが、お父さんお母さん、お子さんを科学センターや博物館に連れて行ったことがありますか?
プラネタリウムに連れて行ったことがありますか?
一回もありませんか?
それとも一回ぐらいはありますか?
いかがでしょうか?
また地球儀をリビングルームにおいてますか? 

なに、一回も連れて行ってない!
地球儀なんて小学校以来触ったこともない!?
別に怒ってるわけではありません。
ほら、怒っても「内発的動機づけ」にはならないでしょう。
ご安心ください。
まぁ・・・どちらのご家庭も大体そんな感じですよ。 

ところで地球儀はいいですよ。
社会の地理に役立つだけではありません。理科の天文学への扉になります。
リビングルームに地球儀、一つご検討ください。
年末のお子さんへのクリスマスプレゼントにいかがでしょう。 
赤間塾のヤナギは別に地球儀屋さんの営業ではありませんよ。
でも渡辺教具さん(有名な地球儀メーカーです)、少しリベートくれないかしら・・・金に汚い赤間塾のヤナギは思わずそう思ってしまいます。


閑話休題。 

ちょっとお考え下さい。お父さんお母さんがスマホをいじっていて、それでいてスマホをいじってるお子さんに「勉強せい!」と怒れますか?
それは無理というものでしょう。
さりとて、下から出て「こづかいをやる」「ゲームを買ってやる」では次に待ってるのはアンダーマイニング効果のわなです。
ほら大学生を集めた立体パズル(ルービックキューブ)の実験を思い出してください。
 報酬(アメ)をやめたとたんやる気はダダ下りです。

これはいけません。

【なんてったって科学館!🌏】

そこで何かきっかけを作りましょう。
科学センターや博物館、プラネタリウムにお子さんと行きましょう。
ここ宗像からはスペースLABO北九州科学館福岡市科学館がいいですね。
少し遠いですが規模が大きい九州国立博物館もおすすめです。
わが宗像の誇る宗像ユリックスのプラネタリウムもいいですよ。
今ではめずらしい星の生の解説を聞けます(今は何もかも自動化されたビデオ投影が多いんです)。
それに定期的に星の観望会もやってます。
ぜひともおはこびください。

現代の科学センターや博物館はお父さんお母さんの時代の「触るな!」の張り紙だらけの展示物が古色蒼然と飾っているだけの殺風景な場所ではありません。
見て、聞いて、そしてさわれます。
さわれる展示物がわんさかあります。 


【アメを口につっこめ!🍬】

そのとき、お子さんが少しでも興味を持って触れたことを「ほめましょう」(アメです)。
ただ化石を見て、いじってるだけでもほめましょう(アメです)。
「おまえ、化石がわかるのか」と驚いて見せましょう。
子供は男の子も女の子も恐竜が大好きです。
赤間塾のヤナギは赤間駅前でピンクのステゴザウルスのぬいぐるみをキュッと抱きしめて歩いてるかわいい女の子を目撃しました。
そう、小中学生なら恐竜のことは少しは知ってます。きっと、すこ~し自慢しながら何か話してくれます。
「へー、そうなのか」と、さらに驚きましょう。
プラネタリウムでお子さんが「星がきれいだね」と言おうものなら・・・
「お前、目がいいんだなぁ、おれ(私)にはよく見えないなぁ」
さらに「お前は星の観測や研究に向いてるんじゃないか」とおだてましょう。
もしも火星やら木星やらの話をしてきたら、こっちの思うつぼです。
うんうんと聞いたあとに・・・
「へー、よく知ってるなぁ」です。 

その夜、うちに帰るとお子さんはもらったパンフレット、もしかしたらうちにある図鑑・・・
そうでなければ憎き?スマホで恐竜や星座を眺めてるかもしれません。
チャンスです。ほめましょう(アメです)。
「なんだ、これは・・・よくわからないなぁ・・・」と話しかけます。
お子さんは先回りして、すでに読んだりしてますから「なんだ、お父さん(お母さん)わからないの、これはね・・・」とさっき知ったばかりの情報を自慢げに話し始めることでしょう。
得意満面です。
子供は大人に自慢するのが大好きなんです。
そして、またまたこれはチャンスです。
ほめましょう(アメです)。
さぁたたみかけましょう。「よくわからないなぁ・・・たいしたもんだ。」
お子さんは頼まれもしないのに恐竜博士や星座の先生をめざすようになるかもしれません。 

「え?学校の勉強は?」「成績は?」 

お父さんお母さん、そうあせるものではありません。 

今までスマホゲームで課金ばかりして、現代日本の悪しき資本主義のえじきになっていたお子さんの脱皮のときです。
ケチケチしないでジャンジャンほめましょう(アメです)。
思い出してください。言葉の(アメ)は金の(アメ)とちがってアンダーマイニング効果はありません。
それに、なにより、タダです。コストパフォーマンス絶大です。 

まちがっても「また恐竜かぁ、よくあきないなぁ・・・宿題やったのかよ・・・ったく」などと口にしてはいけませんよ。 

【さらにつっ込め!!🍬🍬】

さぁ、ここでもう一押し。 

机の前でお子さんが学校で出された宿題をイヤイヤやり始めたら、しめたものです。
「なんだ、こんな問題にてこずってるのか。オレはこんなのは簡単だったよ。」
「お父さんの高校は偏差値○○、○○大学出だぞ。」
「だからお前は最低でも偏差値○○の高校に合格しないとな。」
なんていうのは下の下の下の下です。 

親の自慢は子供には百害あって一利なしです。 

「オッ難しいなぁ・・・おれ(私)も数学苦手だったんだ」
「いやぁ・・・お前、やるなぁ・・・」と報酬(アメ)をあたえましょう。 

お子さんは早速、生意気を言います。
「こんなの基礎だよ、ヘヘン!」
「なんだと、おれをバカにするのか―!」となってはいけません。
忘れてはいけません、アメですアメです。
がんばりましょう! 

「お前、数学出来るんか・・・理数系だな・・・恐竜にもくわしいはずだな。」 

恐竜と数学の関係は?
そういう余計なことを考えてはいけません。
そんなことはどうでもいいのです。
とりあえず恐竜と数学をくっつけて、アメをお子さんの口に突っ込みましょう。
虫歯になってもかまいません。ねじ込みましょう。
 

【いつやるんですか?】

そして、タイミングは、そう、今すぐです。
何とか先生(林さんですね)の「今でしょ!」です。 

「とりあえず勉強が終わってから、今はせっかく勉強してるから。」
そんな心配は要りません。
「今です!」 

後になるとイヤミや、いやがらせともなりかねません。
相手は反抗期なんですから。 

大丈夫、子供さんの世界で一番好きな人は間違いなくお母さん、あなたです。
お父さんは残念ながらその次か、そのまた次です。
もしかしたら、飼っているワンちゃんやネコさんの下かもしれません。
まぁいいじゃないですか。
親父はそんなもんです。気にしないで明るくいきましょう。 
そしてもう一つ大事なことは・・・
たとえ10分でも宿題をやれば・・・
次は「15分できるようにすればいいな、きっとできるよ、数学得意だもんな。」と言いましょう。
「30分やれ!」なんて、いきなりはいけません。
「1時間!」なんて、とんでもございません。
そう「近傍目標」です。すこしずつです。
「近傍目標」の「成功体験」です。

こうして、だんだんとお子さんの勉強への「やる気」を「内発的動機づけ」につなげていきましょう。 
そりゃ、なかなか難しいかもしれません。
それでも愛するお子さんが少しでも「やる気」を持つためです。辛抱強くいきましょう。

そして、勉強が「習慣化」してしまえば、もう、金のかかる、しんきくさい塾なんかいりません!赤間塾のヤナギはめでたく失業です!
お子さんは「内発的動機づけ」で「習慣化」した勉強をします。
もう本稿「やる気の科学」もゴミ箱いきです。 


それではお父さんお母さん、がんばってください。 

乱筆乱文、失礼しました。 

そして・・・そうです!

いつやるんですか? 

今でしょ!